「リュナ、カルサを頼む。俺たちは皆あいつを守る為に必死だ。君の存在は大きい。」

ジンロは首下をゆるめ、服の下に隠していた首飾りを外した。

しっかりと握り、息を吹きかけ祈りを捧げる。

「これは守護のまじないをかけてある。これを君に。」

ジンロは立ち上がり首飾りをリュナに差し出した。

リュナは戸惑い、狼狽えながら首を横に振る。

「これはジンロ様の物、受け取れません。」

「貰って欲しいんだ。」

ジンロは微笑み、リュナの手を取って首飾りを乗せた。

手に感じる重みに申し訳なさそうにリュナはジンロを見上げる。

「何故か君の力は…先代風使いより弱い。」

その言葉にリュナの身体は大きく反応した。

目を大きく開き何か言いたげに口が小さく動きを見せる。

「…自覚はあったようだな。」

目を泳がせながら俯いていくリュナの表情は曇っていた。

図星なのだと言っているようだ。

「これがあれば少しは力の足しにもなるだろう。力を増幅させる作用もある石だ。」

ジンロはリュナの頭をぽんぽんと叩いた。

全て分かっているかのような仕草、リュナの中に安心感が生まれる。