「行き着く先に…何の幸運も無い。」

「ありますよ。」

そう告げたリュナの声が震えていた。

それに気付いたカルサは反射的に彼女の目を見る、涙を浮かべた目はまっすぐにカルサを見ていた。

「必要ないと言われる方がよっぽど辛いです。私には…やれることがあるんですよね?」

でも彼を救うことはできない、必要だと言われた場面は最後だと教えられた。

カルサを助ける為にここまで来て、それを成し遂げることが出来ない自分の無力さが情けない。

悔しさと切なさの涙がリュナの頬を伝う。

「悪いと思うなら…頑張って最後に笑いかけて下さい。そしたら私、満足しますから。」

全て話し終わるまで笑顔がもたず、リュナは手で口を覆い俯いてしまった。

彼女の感情を抑えるために口に当てた手はカルサの手を握っていたもの。

「すみません…っ。」

剣を支えていた腕も落ちて、リュナは両手で顔を覆った。

カルサの手に剣の重みがかかる。