しかしカルサは少し困ったような顔をして目を細める。

「それは俺が仕向けた気持ちかもしれないんだぞ?」

意外な言葉にリュナの瞬きが多くなった。

カルサがリュナに対して持っている罪悪感の大きさは彼女が思った以上のものなのだろう。

何がカルサを縛りつけているかはまだ分からないが、おそらく彼は自分がリュナを捕らえているのだと考えているに違いない。

言葉は選ばなくては。

リュナは少しの間視線を宙に泳がせて考えた。

「もしそれが陛下の我が儘なのだとしたら…私は選ばれたことを嬉しく思います。」

「何故だ?」

「陛下は沢山のことを我慢しすぎて我が儘を言わなかったと思うから。」

今度はリュナの言葉にカルサは瞬きを重ねた。

「唯一に近い我が儘を私に使って下さったのなら、それが嬉しい。選ばれてここに来れたことを幸運に思います。」

何の不満もないと微笑むリュナとは対称的にカルサの表情は苦痛だと歪んでいく。