「やっぱり一緒にいさせて下さい。」

リュナの声がはっきりと聞こえた。

「まだ聞いていないことが沢山あると思いますし、決断は早いと言うかもしれませんけど。きっと私は傍にいることを選ぶ筈です。」

「それは…俺がそうなるように仕向けたかもしれないのに?」

「だったら尚更、傍にいる方が私は幸せになれると思うんです。」

目を見開くカルサの手の上にリュナは自分の手を重ねた。

「ここに。傍にいさせて下さい。」

彼女の目はまっすぐにカルサを見つめ、そしてその表情はとても穏やかだった。

まるで幸せかと聞かれた問いに、幸せだと返しているかのような満ち足りた笑顔にカルサは動揺してしまう。

「自惚れでなければ…少しは心を開いて貰えていると思うんです。」

「それは…。」

そこまで言うとカルサは目を逸らして言葉をつまらせた。

その姿にリュナは微笑む。

「陛下、好きですよ。」

少し首を傾げてリュナは見上げるように告げた。