構えたままの体勢はいつ来るか分からないカルサの刃に緊張していた。

そしてまた剣が交わる。

「こうしていると懐かしいな。昔もよく手合わせをしたのを覚えているか?」

カルサは無言のままジンロの剣を払った。

そしてまた斬り込む。

「大分洗練されたが癖は変わっていないようだ。左下からの斬り込みに鈍いところとか!」

言葉の通りにカルサの左下から振り上げるようにジンロが斬りかかる。

一瞬怯んだように見えたが、カルサは刃を受けてジンロを弾き返した。

しかし呼吸を乱しているあたり、ジンロの言葉が正しかったように見える。

「まだ少し甘さが残ってるな。」

距離をとってジンロが口の端をあげる。

カルサは剣を下ろし、息を吐いた。

「身体や顔が変わっても懐かしいか?」

それは昼間の様な冷たい言い方ではない。

ただ疑問に思ったことを口にしているようだ。