「人の上に立つ者である自覚を持て。近い将来この国を治める王となる心構えをしておくんだ。」
カルサは記憶の中でも鮮明に思い出せるその言葉を心の中で呟いた。
過去に二度、同じ様な年頃に違う人物から言われたのを覚えている。
言われた自分が違う姿だったことも。
初めに言われた時に感じた空気と似ている、そう思い出しながらカルサはこの場所を訪れた。
宮殿にある闘技場には炬の灯りと夜空を彩る月と星の灯りしかない。
誰もいないこの場所でカルサは一人、剣を構えた。
構えた時に鳴る金属音が静かな闘技場に響く。
剣を振り降ろした風を切る音、カルサの口から漏れる息、大気を震わす全てはカルサから発せられていた。
まるで目の前にいる誰かと剣を合わせているみたいにその動きは無駄がない。
剣は流すように振り回すのではなく、しっかりと相手の刃を受け止めるように止まっている。
「相手をしようか?」
暫く浸っていたカルサ一人の世界を壊すように声がした。
息を切らしたまま声の主に目を向ける。
カルサは記憶の中でも鮮明に思い出せるその言葉を心の中で呟いた。
過去に二度、同じ様な年頃に違う人物から言われたのを覚えている。
言われた自分が違う姿だったことも。
初めに言われた時に感じた空気と似ている、そう思い出しながらカルサはこの場所を訪れた。
宮殿にある闘技場には炬の灯りと夜空を彩る月と星の灯りしかない。
誰もいないこの場所でカルサは一人、剣を構えた。
構えた時に鳴る金属音が静かな闘技場に響く。
剣を振り降ろした風を切る音、カルサの口から漏れる息、大気を震わす全てはカルサから発せられていた。
まるで目の前にいる誰かと剣を合わせているみたいにその動きは無駄がない。
剣は流すように振り回すのではなく、しっかりと相手の刃を受け止めるように止まっている。
「相手をしようか?」
暫く浸っていたカルサ一人の世界を壊すように声がした。
息を切らしたまま声の主に目を向ける。