地神、水神といえば五大皇力の御劔の筈だ。

自分たちに一番近い仲間といえる人物なのに、今日こうして出会わなければきっと話を聞く事もなかったようにも思える。

顔には出さないが、リュナの中に不安が広がった。

「彼とは繋がりが深い。それでもあまり表立って関わってはいないのは事実です。」

リュナの心中を察したかのように千羅が口を開いたが、彼の切ない表情をリュナは見逃さなかった。

「彼は自分から事を話したがらない。それは仕方がないことなんです。」

それは何故、強く思うのにリュナの口からはその言葉が出なかった。

リュナの目に映ったのはいつか見た表情。

いつかカルサが見せた何も聞けなくする表情に似ていたからかもしれない。

「千羅さんと英琳さんは同じ立場にいるんですか?」

分かりにくい言葉だったのだろう、表情で問いかける千羅にリュナはもう一度尋ねた。

「カルサとの関係は、お二人共同じですか?」

カルサとの関係、それは主従にあたるものだ。

しかしリュナはまだその事実を知らない。