澄んだ瞳に穏やかで優しい笑み、千羅はこうして正面からリュナを見るのは初めてだった。

絶やさない笑顔、無条件の愛情、彼女は全てでカルサを支えようとしている。

見返りを求めない守りの風となる為に。

「風神と雷神はいつも一緒ですか。実は僕にも一緒に行動している御劔がいるんです。」

「本当ですか？」

千羅の言葉にリュナは素直に驚いた。

御劔は常に孤独であると聞いていただけに、その事実は嬉しい報告でもある。

キラキラと目を輝かせるリュナに微笑み、千羅は頷いた。

「女性なんですけどね。水神の英琳と言います。」

残念ながらここには来ていないと告げると、リュナは残念そうに納得をした。

「お会いしたかったです。」

「きっと彼女もそう思っていますよ。」

千羅の答えにリュナははにかんでカルサを見る。

二人の会話を見守っていたカルサはゆっくりと瞬きをすることで彼女の視線に答えた。

「英琳は責任感が強く、優しい、とても魅力のある女性です。貴女のようにね、風神。」