「元気だね、彼女は。」

あれだけの笑顔で自分の許に寄ってきてくれる、そんな人がいる事は凄く幸せなことだと千羅は続けた。

しかしカルサは答えず、笑みを浮かべてリュナが辿り着くのを待っている。

彼の放つ穏やかな空気やその表情に千羅も嬉しくなってしまった。

「リュナなら大丈夫だよ、カルサ。二人なら大丈夫だ。」

カルサに聞こえているかどうかも分からないくらい小さな声で囁いた。

リュナが千羅に気付き、笑顔で会釈しながらカルサの前に立つ。

「どうした？」

「え？ううん、用はないんだけど探しちゃった。」

「は？」

よく分からないという顔で聞き返すカルサに千羅は笑い、リュナは頭を掻いた。

「どこに行ったのかなと思って探してたら見付けて…勢いで飛び出したんだけど。」

そこまで言って千羅の方をちらりと見る。

そして申し訳なさそうに頭を下げた。

「お話し中だったのね。ごめんなさい。」