リュナの額にうっすらと汗が見える。

「色々と順調みたいだな。」

「まだまだよ。」

貴未はリュナの隣に立ち窓の向こうの景色に意識を向けた。

青い旗が風に泳いでいる。

「今日は晴れか。リュナの天気予報は城下でも評判良いぞ?」

「本当?嬉しい。」

貴未の言葉にリュナは目を輝かせて微笑んだ。

そして同じように窓の向こうの旗を見つめる。

空を泳ぐのは青い旗、それは今日の天気が良いものだと知らせる印だ。

洗濯したり農作業をしたりと城下の人々はこの旗を日常に活かしていた。

「紅が発案したんだっけ?」

「ええ。風よみが出来ることを知って力の活かす場所を考えてくれたの。」

「話聞いてるとホント便利だよな。」

両手を頭の後ろで組んで背中を伸ばす。

のんびりとした貴未の姿と言葉にリュナは微笑んだ。

「もっと貢献しなきゃ。」

この国の為に、リュナは凛とした姿で思いを呟く。