「あ、ごめん。邪魔した?」

「ううん。疲れたから一息つこうと思って。」

いいタイミングだったとリュナは笑った。

「レプリカ呼ぶ?」

「いいわ。またすぐに始めるから。」

そう言うとリュナは風玉を拾い立ち上がった。

「カルサも無茶言うね。何個作れって?」

「“完璧な物を作れ”よ。数は関係ないわ。」

「いいや。あいつはリュナの性格を熟知してる。一個や二個で終わらせるわけがないってハナから考えてるね。」

「なおさら光栄だわ。」

何を言ってもリュナからはカルサの良い話しか返ってこない。

しかも嬉しそうに柔らかい微笑み付きだ。

相変わらずのリュナに貴未は微笑んだ。

窓際に置いた籠の中にはいくつかの風玉が入っている。

出来たばかりのそれらを中に入れてリュナはまた小さく息を吐いた。

この作業は結構な体力を使うと聞いていたが、それは本当らしい。