「ありがと。」
貴未は笑みを浮かべて片手を挙げるとレプリカの前を通り過ぎて扉に手をかけた。
「あ、その“様”付け止めてね。」
人差し指を立ててレプリカにウィンクを投げる。
レプリカの受け流しの微笑みと会釈を背中に受けて貴未は部屋の中に入って行った。
部屋といってもほとんど何の装飾も家具もない、広さだけがある場所だ。
大きな部屋の真ん中に広げられた絨毯、その中心にリュナは入口側を向いて座っていた。
「貴未!」
「お疲れさーん。」
扉が開くと同時に見えた貴未をリュナは笑顔で迎え入れる。
しかし手は休めずに宙をさ迷っていた。
彼女の周りを囲むようにほのかに色付いた風が吹いている。
「何やってんの?」
「相変わらず風玉作り。ようやく形になってきたような気がするの。」
そう笑ったリュナの膝元には複数の水晶玉があった。
貴未がそれを見つめている間にリュナを取り巻く風はなくなり、彼女は小さなため息をつく。
貴未は笑みを浮かべて片手を挙げるとレプリカの前を通り過ぎて扉に手をかけた。
「あ、その“様”付け止めてね。」
人差し指を立ててレプリカにウィンクを投げる。
レプリカの受け流しの微笑みと会釈を背中に受けて貴未は部屋の中に入って行った。
部屋といってもほとんど何の装飾も家具もない、広さだけがある場所だ。
大きな部屋の真ん中に広げられた絨毯、その中心にリュナは入口側を向いて座っていた。
「貴未!」
「お疲れさーん。」
扉が開くと同時に見えた貴未をリュナは笑顔で迎え入れる。
しかし手は休めずに宙をさ迷っていた。
彼女の周りを囲むようにほのかに色付いた風が吹いている。
「何やってんの?」
「相変わらず風玉作り。ようやく形になってきたような気がするの。」
そう笑ったリュナの膝元には複数の水晶玉があった。
貴未がそれを見つめている間にリュナを取り巻く風はなくなり、彼女は小さなため息をつく。