リュナは頷き、カルサと同じ様に手摺りに身体を預けて辺りの景色を確かめた。

「あっちにも噴水がある…あっ!向こうにも庭が広がってる!綺麗。」

少し遠くに見えるその場所を見つめ、リュナは身体を揺らした。

まるで子供のような無邪気な姿に思わずカルサは噴き出してしまう。

それに気付いたリュナは頭を掻いて照れくさそうに笑った。

「はしゃぎすぎかな?」

「まあな。でも嬉しかったんだろ?」

カルサは笑いを堪えるようにして答えた。

仕方ない奴だと、そんな優しい気持ちで受けとめているように見える。

やはりそれはシードゥルサに居た時の彼とは違い、またリュナの鼓動を高まらせる。

そんなに身分を気にしなくてもいいんだよと言われたような気がしてリュナは息を飲んだ。

気持ちが大きくなっていく。

「それは。」

震える声で少しだけ言葉にした。

リュナが躊躇したことを不思議に思い、目で何かと疑問を訴える。