夏希の手が俺へ移動する。


そのとき、



「夏希を頼んだぞ」



と夏希のお父さんに言われた。



「任せてください」



俺と夏希は残りのバージンロードを歩いて、神父の前で止まった。



隣を見ると夏希が泣いていた。



「何、泣いてんだよ」



「だって、私知らなかったよ。こんなに準備してくれて…。一人で大変だったでしょ?」



「いや、みんなも手伝ってくれたから大変じゃなかった」



「ありがとう」



「新婦、小日山夏希。健やかなるときも、どんなに辛いことがおきても、一生夫を愛し尽くし抜くことを誓いますか?」