二人の尋常じゃない反応に、グランド公の目も外へ向く。
彼は顔を青くした。

「なんだこれは!ロイ、どう言うことだね!?」

「僕に訊かれても分かりません」

「それに、どうしたらいいのかも分かりませんわ」

窓を見ながら、呆然と呟く。
先程の少女の声は、この事を言っていたのか。

ここまで肥大してしまったものは、止められない気がする。

直感的にイヴはそう思った。

やがて不穏な音を立てながら、窓にヒビが入っていく。
キースも振り向き、二人の元へ走り寄ってきた。

「ロイ様、イヴ様!お怪我はありませんか?」

「僕は大丈夫!」

「わたしも大丈夫よ。キース、あのね……」