彼は振り向き、振り下ろされた剣を受け止める。
「……背後をとるとは、どう言うことですか」
「足を払った君と、お互い様だよ」
グランド公がほくそ笑む。
ロイはイヴを背後に、応戦した。
彼女がいる以上、下がるわけにはいかない。
「ロイ!外!!」
窓の向こうを見たイヴが叫ぶ。
ロイは彼女の声に流され、窓の外を見た。
その隙にグランド公が仕掛け、ロイの剣を弾き飛ばす。
ロイの剣は手を離れ、遠くへ飛んでいった。
そして、ロイの鼻先へ剣を突き付ける。
「しまっ……」
「油断は禁物だよ。一瞬の隙が、命取りになる」
「ぐっ……」
こうなってしまえば、歯向かうことはおろか、動くことすらできない。