記憶を辿ってみると1人の人に辿り着く。
そう
2年前のあの先輩に。
やっぱりあの先輩か…
実は2年前のあの日から
ずっと先輩を探してきたのだ。
頑張って名前までたどり着いた。
でもその頃には先輩は卒業していた。
でもそう、私っち学校は中高一貫で
先輩は今もこの校舎のどこかで勉強をしているのだ。
その先輩の名前は
「田中秀樹」
である。
でも、先輩が卒業してからもう先輩のことは忘れようって決めたのだ!
そう今となっては過去の話だ。
叶うはずもない
過去の恋なんて終わり。
キンコンカンコーン
「あ、やばい。授業始まっちゃう」
そうこうしていたら、時間が経っていたようだ。
「あ、のどか〜、どこ行ってたの?(怒)はやくぅ!」
「はいはい、ごめんごめん」
ー放課後ー
(あ〜、今日も疲れた〜)
と私は大きく伸びをして
教室をあとにする。
――――――――――
自転車を快調にこいでた時、ポツポツと雨が
降ってきた。
(やばいっ、急がなきゃ。)
家まであと少し。
…
(雨降るとか天気予報で言ってなかったじゃん(怒))
やっとマンションまで着いた。
駐輪場に自転車を置いた時
ちょうど急いで自転車で帰ってくる人を発見した。
田中先輩だ。
(ぇ、田中先輩…?なんでよりによってこんな時に)
私は急いでマンションのエントランスに向かう。
カツカツカツ
後ろには先輩の足音が確かに聞こえる。
もー、どうしよどうしよう><
なぜだかすごい緊張して
ドキドキしている私がいる。
緊張しながらも私は
先輩のためにエントランスのドアを開けてあげた。
ふと後ろを振り返ると
先輩との距離の近さに
どきっとした。
「ぅっす」
先輩は下を向きながら
そう答える。
もしかして、先輩…
照れてる?
いや、勘違い?
でも、勘違いだとしてもなんだか嬉しい。
先輩は階段を駆け足で上っていく。
私はその先輩の背中を見ていたら
(好きって伝えたい。告白のチャンス)
そう心のどこかで
もう1人の私が叫んでいた。
でもそんなもう1人の私を
押し込めてエレベータに私は逃げた。
(なんで、、期待ばっかしちゃうんだろ。もしかしたら先輩に告白されるかもって思っちゃったじゃん。)
心の中で色んな感情がごちゃごちゃになって
どうしようもないほど
胸が苦しくなって痛くなって
涙が溢れた。
泣くなって自分に言い聞かせても
止めどなく涙は溢れてくるもんで。
私って、こんなに泣けるんだ。
改めてビックリした。
そして決めた。
私…
田中先輩のことが好きなんだ。
絶対告白する。
なんだか、心が軽くなって
キラキラして何もかもが
輝いて見えた。