山尾の声が聞こえた。




へそで投げるイメージは、バックドロップで良く言われる事だった。




私は、へそで投げるイメージを浮かべながら踏ん張って玉田を投げた。




観客がオ~!!と言う驚きの声が聞こえた。




しかし、玉田は、頭を押さえながら起き上がると私を強引に持ち上げリングの外にそのまま投げた。



私は、空中で身体をひねって観客と観客の間に見事に足から綺麗に着地した。




体操競技なら金メダル並の着地だったが、玉田が明らかにプロレスを止めて真剣勝負に切り替えて来てる事が分かった。



私が、リングに戻ろうとしていたら山尾が側に来て小さな声で言った。




「ハスミ、玉田は、真剣勝負を仕掛けて来てる。

こうなりゃ止められない。

玉田を潰すつもりで行け。

お前なら出来る。

乳首くらい見えても気にするな。」




最後の一言は、余計だったが、私は、山尾の言葉で決心出来た。




やってやろうじゃない!乳首が見えるのは、絶対やだけどね。




ア!次からはニップレス着けようと気付いて嬉しくなった。