私は、玉田の腕を掴むと腰を入れて一本背負いをした。




これは、山尾から教わっていた。




玉田の顔に驚きの表情が、浮かんでいるように見えたが、玉田は、思い切り下から私の顔面を蹴り上げた。




私は、吹っ飛ばされながら玉田が、本気で蹴って来たような気がした。




鼻の奥の辺りがツーンとした。




手で拭うと鼻血が出ていた。




私は、デビュー戦だし女の子なのに顔を本気で蹴るとは許せない!鼻血なんか可愛くないし更に許せない!




私は、玉田が起き上がるのを待って渾身の蹴りを玉田の脛に叩き込んだ。




玉田のバランスが崩れるのが分かるとバックに回ってバックドロップを放とうとした。




しかし、重かった。



普通こういう場合は、玉田の協力がなければバックドロップ等出来ないのだが、玉田は、全く協力する気がないらしい。



これじゃプロレスにならないじゃん!




私は、腹が立って来たが意地でも投げてやろうと踏ん張った。




「ハスミ!へそで投げるイメージだ!お前の太ももなら投げれるぞ!!」