試合は、一週間後と急だった。




私は、ひたすら基礎トレーニングを続けた。




高橋君とは、あのスパーリング以来口を聞いてなかった。




高橋君の太ももには、絆創膏が貼られ上からテーピングが、されていた。




幸い、皮膚の表面が剥がれて私の噛み跡が付いたくらいですんだ。




私は、あのスパーリングの時に頭が変になっていたのだろうか?と悩んだが、山尾は、大喜びしていた。




初のスパーリングであそこまでの闘志を見せた人間は、今まで見た事がなかったしやられてもやられても前に出るスタイルが気に入ったと言った。




試合前になると皆が揃って練習をしていた為に高橋君と二人きりにならなくて少しだけ気が楽だった。




だけど、早く謝りたかったのに時期を逃したようで高橋君と偶然目が合ったりしたら気まずかった。



それに私の高橋君への恋愛への道がこれで、更に遠くなってしまったようで悲しかった。




山尾になんか誉めらるより高橋君にハスミちゃん可愛いねと言われた方が一億倍嬉しかった。