クールな高橋君は、やはり、格好良かった。




スパーリングのやり方は、格下が相手に向かって行く時には、反則や相手を怪我させない程度に思い切りぶつかって行けばいいんだよと高橋君が前に教えてくれた。




それなら、今は、私が格下だから高橋君に思い切りぶつかって行って抱きついちゃったりしちゃおうかなどと考えてしまったが、あまりに不純な自分自身が嫌になりとにかく、高橋君にぶつかって行こうと思った。




スパーリングが始まって私は、見よう見真似のタックルをしようか悩みながら高橋君を見ていると高橋君のキックが脇腹に思い切り入って息が出来なくなった。



高橋君は、容赦なかった。




次のハイキックは、何とか避けて高橋君に組み付こうとしたが投げられた。




投げられた所を高橋君の蹴りがお腹に入ったが、私は、何とか立ち上がった。




立ち上がった所を又も高橋君に腕を持たれて簡単に投げられマットの外の床に頭を打って身体中に衝撃が走ったが、私は、フラフラしながら立ち上がり高橋君に向かって行った。