本当は、落ち着いていられなかったが、山尾の試合が有るのだ。
私は、簡単な治療だけ受けてタオルを被ってセコンドに付いた。
ブロックヒョードルは、身体の大きい山尾よりも二回りは大きかった。
身長二メートル体重百三十キロなのだ。
そりゃでかいわけだ。
山尾は、臆せずリングインすると観客に向かって腕を突き上げる。
試合開始と同時に二人が、リングの中央で殴りあい始めた。
最初は、山尾も負けてなかったが徐々に押され始めた所を山尾が、高速タックルに入ろうとしたが、ブロックは、それを切ってしまう。
山尾が、立ち上がるとブロックは、ローキックを打ってくる。
元々は柔道家とは思えない打撃の切れだった。
山尾は、ローキックを上手く切るがミドルキックが、ボディに入ると息が詰まったのかよろけた。