高橋君は、特にそれを気にしないようだったが、会場に入ってから元々無口なのが更に無口になっていた。




イケメンは無口でもお喋りでもかっこいいなあと思う。



結婚して高橋君なら風呂!メシ!セックス!だけでも気にならないだろうなと夢想する。




私が過激な夢想に入ろうとしてる時に試合が始まりハッと現実に戻された。



ミスター金と中山では、体格差はなかった。



背の高さは、中山だったが、体重差はほとんどない。




スラッとした中山が、ゆっくりミスター金の周りを回りながら様子を伺う。



ミスター金は歳は取っても実力者だと中山は当然分かっているのだろう。



ミスター金は中山を見ながらタックルに入るフェイントを一度だけやる。



中山は、腰を引いてタックルを切る動作をする。



中山は、ミスター金をかなり警戒しているようだった。