「生きてるのか?」


「多分な、」


「…おい、起きろ」





……遠く、といっても割と近くで声がする。
その声に誘われるようにして、ゆっくりと
瞼を開ける。

白い、シミ一つ無い天井と一人の男の顔。
状況を知りたくて、重たい体を起こす。

辺りをぐるり、見渡せば男がもう二人。
この部屋には、テレビと冷蔵庫とテーブルしかない。


「お、起きた!!」


最初に視界に入った、男が騒ぎ出す。
男にしては、高い声と可愛らしい顔。
チョコレート色の髪色がよく似合ってる。
弟にしたくなる、なんて上手く回らない頭で考える。


「具合はどう?」


金髪の男は、ペットボトルを私に差し出しながら
訊いてくる。