俺は視線を紙に落として、成績表に目を通す。
真っ先に見た場所は、順位のところだ。
富田と約束をしていたことを思い出す。
順位が3位以内じゃないと携帯解約という約束。
富田に携帯をねだって、次の日、約束通り携帯を買ってきてくれた。
その日から携帯に夢中になり、今も使っている。
そして今日が運命の日。左右される携帯の命。
4位だったら終わり。
3位だったらギリギリセーフ。
俺は生唾をごくんと飲んで、ゆっくりと目を開いた。
「…ま…じかよ」
その数字を見て目を疑った。
夢なのか、現実なのか。
今の俺にはどっちなのか分からなくて、それを確かめるため、一度目を閉じて、再び目を開いた。
やっぱり変わらない数字。
間違いない、これは夢なんかじゃない。
俺の努力の結晶だ。
「歩ー!お前何位だった?俺、103位!微妙だよなー!?」
笑顔の隼人。
隼人は自分の順位に満足しているようだ。
隼人の方に顔を傾けて、言葉を漏らす。
「…俺、2位なんだけど…」