司の言っている意味がよく分からない。
なぜそんなことを俺に聞く?
聞いてどうかなるの?



俺は何て答えいいのか分からなくなり、笑ってしまった。
失礼かもしれないけど、それしか反応はない。


「…なんだよ、いきなり。そんな恐い顔して。
似合わないよ?優等生くん」



バカにするように司を見て笑う俺。
司の反応が見たかっただけ。
どんな反応をするのか楽しみだった。


司は先ほどより恐い表情をして、俺に近づいてくる。
そして俺の胸ぐらを掴み、フェンスへと叩きつけた。


かしゃんとフェンスにぶつかる俺。
背中か痛くなってくる。
けど俺にはその痛さなど伝わってこなかった。
俺の心に刻まれた傷の方が痛いから。


「このフェンスがなかったら良かったのにな」



鋭い目付きで俺に言葉を投げかける司。
ライバル心、バレバレですよ?



「もしなかったら俺は今頃お前に殺されているな」



別に殺したかったら殺せばいいさ。
死ぬ間際に血でお前の名前を書いてやるからさ。