「ありがとうな。午前中に安里と和樹が来てくれて。さっきナナと瞳が帰ったところだよ…」
道理で小林のお墓に百合の花が沢山添えられているわけだ。
みんな選ぶ花は同じなんだね。
「あれから一年…早いよな…」
俺と沙紀は優と肩を並べて、お墓の前で手を合わせる。
線香の匂いが、癒しを与えた。
少し甘い香りが小林にぴったりだと思ったのだ。
…小林、元気ですか?
俺は今も約束を守っているよ。
絶対守り抜いてみせるから。
安心してよ…。
「俺…ずっと渡したいものがあったんだ。優に…」
俺はこう言って、ポケットから携帯を取り出す。
ずっと、渡したかった。今渡してもいいか?
データフォルダからあの写真を見つけ出す。
撮られた日付は去年。
だけど日付なんか関係ないよな?
「これ、優にずっとあげたかった…」
そう言って、この写真をメールに添付し、優に送信をする俺。
優はなんて反応するだろうか。
喜んでくれるかな…