再び聞こえた、俺を呼ぶ声。
俺はゆっくりと視線を安里たちから横へと移す。そこには笑顔の広瀬と、落ち着いた雰囲気を漂わせる、相沢がいた。
あれ?二人仲良かったっけ?と疑問を抱かせる。
近づいてくる二人。
そんな二人を見ているとどこかで友情が芽生えたのだと思わせた。
「ん?どうした?」
「みんなと写真撮りたくて!瞳ちゃんも撮りたいんだって!」
にっこりと笑顔を向ける広瀬。
広瀬の笑顔も何も変わっていない。
あの頃のまま。
相沢は頬をピンク色に染まらせ、「いい?」と一言呟いた。
嫌なわけないだろ?
優、みんながお前を待っているよ…。
俺たちは優が来るのを校門で待っていた。
そして、彼は現れた。
空を見上げ、愛しい人に微笑みながら…。
「…みんな…」
「なぁ~にびっくりしてんだよ!!」
俺は一歩前に踏み出し、優を迎え入れる。
今日くらい泣いてもいいんだぜ?
「いや…別に?」
素直じゃないな、優。
今日の空色は蒼。
きっとこの色はお前からのプレゼントだろう…。