神様、あなたは酷い。
何故無実な彼女を連れていくのですか。


この飛行機は小林が乗っているはずの飛行機だった…。



小林との思い出が走馬灯のように頭の中を駆け巡っていく。



優と別れたあと、俺に言ったよな?
まだ優が好きだって。
覚えているよ、お前の真っ直ぐな気持ち。


俺に言ったじゃないか。
夢を教えてくれたじゃないか。
『鈴木百合』になりたいって。
優と永遠を誓うんだろ?
一生を共に過ごすんだろ?



俺、小林に渡したいものがあるんだよ。
二人の愛の証を渡したいんだよ。





誰か夢だと言ってください。
誰か俺を夢から醒ましてください。





お願い…戻ってきて…。





床に残る涙の跡。
俺はあることを思い出した。
それは小林との約束だ。



『優くんが泣いているとき支えて欲しい』





優はきっと泣いているだろう。
誰かの温かさが欲しいのだろう。



俺が今ここで泣いてどうする。
思い切り泣きたいのは優だ。



俺は優を支えなくちゃ。



そう、約束したから…。