立って、それを見ていられなかった。
全身の力が抜ける。
持っていた携帯を、床へと落とした。


ふらふらとテレビまで歩いていき、アナウンサーを睨み付ける。


嘘、だろ?


何言ってんだよ、お前。早く嘘って言えよ!!





「な…に…冗談はキツイって…」




《速報です…○○空港○○便の飛行機は…》




誰か嘘だと言ってよ…。涙で視界が歪む。
俺はとうとう立っていられなくなったのか、床へと座り込んだ。



苦しい、苦しい。
誰か助けて。



「意味…わかんねぇよ…」



《…墜落しました…》




この言葉を聞いた俺は、もう何も考えることはできなくなった。
ただ感じられるのは、涙の温かさだけ。



「どう…して…なんで…」



この言葉、二つが浮遊している。




《この事故での生存者は今のところ不明です》




小林?お前は今何処にいる?



隠れていないで出てこいよ。



優がお前を待ってるよ。



優が…お前を…。