今日は何日?
俺はずっと携帯の日付を見ては、笑みを溢していた。
だって今日は大事な日なんだから。
優が待っていた日。
俺たちも待ち望んでいた日。
特別な日だ。
だから朝早く起きてしまったのだ。
小林が帰国する時間は昼。
まだ何時間もある。
テレビをつけては消して、消してはつけて。
この繰り返しばかりをしていた。
優はなにをしているかな。
俺と同じことをしていたりして。
時計の針が10時半を示したとき、俺は我慢できずに優に電話をかけた。
『はい?』
落ち着いている優の声。なんだ、少し期待外れ。もっと興奮していると思っていたから。
俺はソファーに座り、優の声に集中をする。
「あっ優?俺、歩~。何時頃になりそう?」
帰国する時間を知っているのに聞いてしまった俺。
答えは決まっているのに。
「昼ぐらいかな?」
「そっか…なぁ…優?」
「ん?」
お願いだよ、優。
この幸せを離さないでくれ。