沙紀も思っているようだ。
俺たちに隠し事はだめだよ。
すぐ分かってしまうから。
「そっかな…」
けど優ははぐらかした。余計気になるじゃないか。
教えてくれよ、優。
「何か良いことあった?」
こう聞いても優の返事は「別に」のただ一言。
気になる、気になる。
でも優が教えてくれるまで待つとしよう。
いつか、教えてくれよな。
…時間が経つのを忘れてしまう。
運転は嫌いじゃないからかな。
沙紀と優がいるからかな。
目の前には太陽に反射をした海。
きら…きらと波打つ度に、光る。
それを見た俺たちのテンションは一気に急上昇。
近くの駐車場に車を停めて、勢いよく外に飛び出す。
海が目の前に存在している。
やっと海についた。
俺たちは荷物を持ち、海へ歩いていく。
「海だー!!きれー!!」
興奮が抑えられない俺は、海に向かって叫ぶ。
「すげぇ人…」
優の一言が現実の世界に引き戻した。