入道雲、透き通るくらい青い空。
存在を光で表す太陽。
夏真っ盛り。
そんな日、隣に沙紀を乗せて、ある場所に向かう俺。
車の中に響くのは、最近発売されたばかりのアーティストのCD。
陽気な気分で、鼻歌を歌ってしまう俺。
今日は海へ行く日。
「晴れて良かったなー」
「そうだね!海日和だね!てか歩、荷物多すぎ」
沙紀がこう言って、曇った表情をしながら後部座席を指差した。
後部座席にあるもの。
それはパラソル、レジャーシート、浮き輪、ビーチボール、水中メガネ、などなど。
ちょっと張り切りすぎたかな?
「いいんだって!楽しみで仕方がなかったんだからさ」
そのくらい許してよ。
アクセルを踏み、スピードを上げる。
もう少しで優の家に着く。
待ち合わせは8時。
ちょうどいい時間だ。
待ってろよ、優。
…そして、優の家に着いた。
ブレーキをかけ、車を停めた俺は、サングラスをかける。
気合い満々なところを見せないとね。