優も勉強に追われていた。
ほぼ毎日勉強をしているんじゃないかな。
遊びを誘ってもいつも断られるしね。
でも夏はもう来ている。夏がきたということは小林の帰国まであと少しということだ。
優はそのことに気づいているのだろうか?
もしかして小林のことを忘れていないよな?
優は小林を見送った日から泣かなくなった。
俺たちの前では泣きたくないのかもしれない。
もしかしたら夜、一人で泣いているかもしれないな。
小林との約束を思い出す。
優の傍にいること。
優が泣いていたら支えてあげること。
小林、優は隠れて泣いているのかな。
俺はどうしたらいい?
必死に考えた結果、
優をある場所につれていこうと考えついた。
それは、どこまでも続く海だ。
「優~ちょっと来い」
ある日の休み時間。
俺は優を手招きし、こちらに呼んだ。
隣には沙紀がいる。
沙紀はこの海計画に賛成をしている。
あとは優の返事待ちだ。