「あ?いいって、俺も気になってたし」



気になることが増えていく。
黒いパンプスが俺の頭を支配していく。
黒く、染められていく。


そして優はある部屋の前で泊まり、俺を中へと案内した。
部屋の中に誰もいませんように…と願いを込めて、部屋の中へと踏み入れた。



部屋の中は誰もいない。それを確認した俺はほっとする。



落ち着いた空間。
それはやはり色使いのせいだろうか。
白を基調とし、小物で自分を表現している。

例えば、赤の香水のボトルで愛。
例えば、青のカーテンで弱さ。


優は自分をしっかりと持っている。



「初めて入ったー!何か意外なんだけど!片付いてて」



「静かにしろって!うるさくすると幸に怒られる…」



幸?誰それ?
やはり新しい女なのか?
不安が一気に押し寄せてくる。



「幸?新しい女?」



早くこの不安を解いてよ。



「姉だって!ばーか。
歩…今から話すから静かに聞いてな…」



不安が消えていく。
そして優は自分の中にあるものを全て俺に話してくれた…。