優が選んだ人を受け入れる。
そして二人の背中を押すのだ。
笑顔で。
進め、進むんだ。
「なぁ、小林。これだけは言っておく」
小林は涙目で俺を真っ直ぐ見つめる。
俺は小林を安心させるように笑顔となった。
人間の体は正直者。
素直に反応をするんだ。
だから優もあの時、小林を包み込んだのだろ?
体は正直者だから。
優も素直だったから、あの人を選んだのだろう?
「体は正直だから、それに従って動け。優も自分の気持ちに素直になるから」
こう言ったあと、小林は白い歯を見せて、眩しい笑顔を見せた。
その笑顔はまるで桜のようで…
だから春になると小林を思い出すのかな…。
ピンク色が彼女の色を表しているようだ。
次の日、優の中の天秤が大きく揺らいだ。
その理由は知らない。
聞かされていないからだ。
そして広瀬とも何かあったよう。
二人でいるときを見ていないからだ。
一体何があったのだろう?
優は一人で抱えすぎなんだよ。
もっと周りを頼ってくれ。
けれど、優は答えを見つけていた…。