カーテンから差し込む光。
誰かの進む道に見えた。


優は、俺の知らない時に、必死に出口を探していた…。



「…あ、れ?歩?」



しばらく沙紀の寝顔を見つめていると、ゆっくりと瞳を開けて小さな声を漏らした沙紀。
俺は笑顔で『おはよう』と挨拶をする。



「…何でいるの?夢?」



こう言って起き上がろうとする。
けど俺はその行動を止めた。



「夢じゃないよ。ほら寝てろって。まだ治ってないんだから!」



「今歩が夢の中に出てきたから夢だと思ったの…」



こんな時に照れるようなこと言うなよ。
抱きしめたい。
抱きしめたい。


嘘だよ、違う。
本当だけど我慢。



「すげぇ心配したんだからな!」



沙紀の髪の毛を触る。
沙紀は猫のような気持ち良さそうな表情を浮かべた。



「ごめんね。あ、クラスどうだった?」




「同じクラスだったよ!!三年間同じとかやばいよな!あと優も!」