視線で訴えても優は気付いてはくれない。
知ってるよ、それくらい。
携帯を見ると時刻は17時を示していた。
道理でお腹が空くわけだ。
消化がいい俺の体は我慢の限界だと言っている。
「優、どっか行こ?ハラ減った」
「お~」
俺の提案に快くのってくれた優。
俺は鞄の中から財布を取り出し、残金を確かめた。
…ありえない。
お金がない。
千円が2枚と小銭が少々。
やはりバイトをしていないせいか、自由に遊べるお金がない。
富田は俺にキャッシュカードやクレジットカードを渡すけれど出来るだけ使いたくないと思っている。
なぜならばそのお金は親父が働いてもらったお金だからだ。
だから使いたくない。
小遣い日まであと少し。
今日はファーストフードで諦めるか。
嫌いじゃないからいいけれど。
俺たちは近くのファーストフード店へと足を進める。
そしてそこで注文をし、空いてるいる席に座った。
やはりこの時間帯は高校生が多い。
俺たちもその中の一組だけれど。