空がどこまでも繋がっているように、優と広瀬の心も繋がりますように、と心の中で願った。



「あれ?さっきまでナナいなかった?」



すると後ろから沙紀の声が聞こえてきた。
不思議そうな表情を浮かべて俺に聞いてくる。



「今、広瀬がどっか行っちゃって、優が広瀬を追いかけに行ったんだよ」


嬉しすぎてついつい笑いながら話してしまう俺。
けれど沙紀はそれについてあまり喜んではくれなかった。



優の席に座り、はぁ…とため息を漏らして、つまらないと訴えているように俺を見てくる。


沙紀がおかしい。
どうかしたのかな?



「どうかした?沙紀」



こう聞かなくちゃいけない気がした。
沙紀が俺に訴えているのだから。




「歩が来る前にナナと話しをしたんだけど何か他人行儀みたいなのよ…」


唇をへの字にして悩みをぶつけてきた。
広瀬が他人行儀?
そうなのか?



俺はあまり広瀬と会話をしてないから分からないけど…。