どうしたら、どうしたら…
その時ふと頭の中に浮かんだのだ。
それは四人で修学旅行の話をしているとき。
広瀬は優と仲良く話していた。
もしかしたらって思ったんだ。
「もしかしたら…優が救ってくれるかもしれない」
「鈴木くんが?」
驚いた表情を見せて、言葉を漏らす沙紀。
そうだ、そうじゃん。
それが一番いい方法なのかもしれない。
「まだ分からないけど、優ならきっと広瀬を一人にはしない。優は優しいから」
広瀬と話す優の姿がとても初々しかったから思いついたのだ。
優自身も気付いていたと思う。
『広瀬を一人にさせたくない』と。
広瀬は自分から逃げる人間だった。
向かおうとせずに、歩く前に逃げて、また戻って結局逃げる。
その繰り返しばかりをしていた。
だけど、広瀬は変わった。
それはきっと、優が救ったからだろう。