この学校の生徒会長が上條司だ。
こいつの父親はどこかの会社の社長。
父親は生意気でいつも偉そうな態度を見せている。

そして俺の家の近所に住んでいるのだ。
最近建てたばかりの三億の豪邸が俺の目に映ると吐き気がする。


なぜか上條司の父親は俺の親父をライバル視しているようだ。
父親の方が有名だからか知らないけど。


俺には関係のないこと。


司とは小さい頃から仲が良かったが、中学に入った途端話さなくなって、学校でも滅多に会わない。
会うときは朝礼のときぐらいだ。



「歩?どうかした?」



「別に?なにも…」



沙紀のいる、ドアのところに視線を移す。
笑っている紗紀。
さっきの怒った顔からは想像が出来ない。


あんな笑顔をいつも司に見せているんだ。


こう考えると無性に腹が立ってくる。



あの笑顔、俺も手に入れたい。



俺だけのモノにしたい。



…これは本心だったのかな?