安里なら大丈夫だ。
安里なら出来るよ。
人を幸せに出来るよ。
俺は分かるから。
その瞳は優しさを意味している。
潤んだ瞳は、悲しさなんかじゃない。
愛しさと優しさがある。
安里、幸せになってくれ。
後ろを振り返るな。
後ろにはもう何も無い。前を見ろ。
前にはまだ出逢っていない人、物が沢山あるから。
前を見ろ。
「ありがとな。まだ小林を忘れられないと思うけど、頑張るよ。小林と過ごしてきた時間は俺にとってすごい大切な思い出だから…」
夕日に向かって微笑む安里が成長したように見えた。
大人になったとか、そういうワケではないけれど、強くなった気がしたんだ。
やはり人間は強くなれる。
優も強くなれるんだよ。
怖がらないで、聞いて見ろよ。
自分の素直な気持ちに。
胸に手を当てて、鼓動を感じてみろよ。
答えが見えてくるんじゃないか?