去年の夏。
優と小林の恋が終わり、そして今年の夏、
再び二人の距離が離れた。
それを近くで見ていた俺は優を責めることも、小林に話を聞くことも出来ずにいた。
このことは俺だけの秘密にしておこう。
それが一番の解決策だ。
そして夏祭りは俺に切なさを与え、幕を閉じた。
季節の色が変わっていく。
もう夏休みは終わり、また学校が始まる。
どうもこの時期になると鬱になってしまう。
まだ夏休みがいいと願うからだろうか。
もう少しゆっくり寝たいと思ってしまう。
「もうすぐ修学旅行だね!」
携帯を見ながら沙紀は俺にこう言ってきた。
そっか、そうだな。
二学期は去年同様、文化祭と修学旅行がある。
修学旅行は10月。
行き先は沖縄。
そう考えると鬱が吹っ飛びそうだ。
「そうじゃん!沙紀、同じ班にしような!」
「当たり前じゃない!そのつもりだったよ?」
沙紀の顔を見て微笑む。
この修学旅行があったから、優に笑顔が戻ったんだ。