優はきっと二人の恋を応援すると思う。
小林は進もうとしているのだ。
もしかしたら優も進もうと思うかもしれない。


けど俺は勘違いをしていた。


この先、再び二人の気持ちが絡まることなど、知るはずもなかったんだ。






…時が過ぎていく。
日々、暑さが増していく。
今年も夏がやってきた。

夏になるとアイスクリームが食べたくなる。
アイスクリームという言葉を聞くとあのことが思い浮かぶ。
それは安里と食べたマンゴーパフェ。
今もメニューとしてあるのだろうか?



「歩、27日の花火、一緒に行こ?去年は課題やってて行けなかったでしょ?」




夏休みは別に何もなく過ぎていっていた。
沙紀と遊んで、勉強をして、沙紀と愛を深めて。この繰り返し。


けれど苦痛ではないから幸せだった。



そして夏休み最後のイベントが8月27日に行われる。
それは花火大会。
駅から少し離れた場所で開催される。
毎年すごい人であまり行く気が起きなかった。


けれど今年は行く気満々だ。
何故かって?




「あたし浴衣着てくから!」




沙紀の一言が俺の心を揺らした。



行くしかない、と。