苦笑いをする俺。
笑っておけばこの場を凌げるだろう。
そんな時、店員が注文をしたマンゴーパフェを持ってきた。
「お待たせしました。マンゴーパフェお二つですね。ごゆっくりどうぞ!」
目の前に置かれたマンゴーパフェ。
鮮やかなマンゴーの黄色が太陽に見えた。
今更太陽を見たって意味がないのに。
だって時刻はもう夕方だぞ?
「歩、俺さ…ずっと前から小林を好きだったんだ…今も好き…」
待って、待って。
心の準備をさせてよ。
いきなり話さないで?
ほらみてよ。
スプーンの上に乗っていたマンゴーの果肉が落ちたじゃないか。
バニラアイスの上にはマンゴーのソースがかかっている。
俺は果肉とそれらをスプーンですくい、口の中に含んだ。
あ、案外美味しいかも。なんて感想を述べている暇はない。
「安里が小林を…ね。
別にいいんじゃねぇの?安里が誰を好きとかさ。それか前に進めない理由でもあるとか?」
そう言ったあと、安里のスプーンからマンゴーの果肉がころんと落ちていった。