「じゃあ…マンゴーパフェで…」



頭に浮かんだものを適当に言った俺。
それは入る前に見た夏限定メニューの中の一つ「マンゴーパフェ」だった。



「お!気が合うね。俺もそれにしよ」



安里が元気よく呼び出しのボタンを押し店員に気づかせる。
そしてマンゴーパフェを2つ頼み、メニューをもとにあった場所に戻した。


今の店員の顔みた?
笑っていたぞ、確実に。男が二人してマンゴーパフェを頼んだから笑っているのだろう、きっと。

しょうがないだろ?
俺はコーヒーで良かったのにさ。



「で?何?話って。」



水を一口飲み、安里を見る。
安里は小さく微笑み、ゆっくりと口を開いた。



「俺が今日呼び出した理由は…歩にだけ知っていて欲しいことがあったから」



「で?なに?」




カラン。
氷がグラスに当たって小さな音を出す。


夏らしさを演出しているかのよう。




「…俺の好きな人のこと…」






安里が好きな人?


それは、誰?