安里が向かった場所は駅の近くにあるファミリーレストランだった。
夏限定メニューが大きく張り出されている。


マンゴーパフェに、
マンゴーアイスクリーム、それにマンゴープリン?



全部マンゴーじゃないか。



カラン、コロン。
店に入ると可愛らしい音が店内に響いた。
それを聞いた店員が俺たちの存在に気がつく。


「二名様ですか?こちらへどうぞ」



店員が案内した場所は禁煙席。
当たり前だよな、俺たちはまだ高校生。
俺はタバコなんて吸わないけれど。



「はい、メニュー。好きなの頼めよ!」



満面の笑みを浮かべる安里に不信感を抱く。
いつもと違う。
爽やかさがアップしている。
だが逆に怖い。



「えっと…じゃあ…ホットコーヒーにしよっかな?」



「俺が奢ってやるって言ってるのにコーヒーかよ?」




「え?まじで言ってんの?」



ちょっと、ちょっと。
今日の安里はどうなってるんだよ、気持ち悪いくらい怖いよ。