初めての会話は最悪な言葉だった。
けどこれもこれでいい出逢いなのだろう。


こいつの一言で、周りの空気が引いていくのが分かる。
それと同時に、怒りが込み上げてくる。


なんだよ、こいつ。


初めて言われた。
初めて女にバカにしているような発言を言われた。


ムカつく。



これが紗紀の第一印象だった。



こんな女、初めて見た。



「は?お前なに?
まじ邪魔なんだけど」



眉間に皺を寄せて、怒りを露にする。
その態度に一番早く気付いたのは、隣にいたショートカットの女だった。


「ご、ごめんね!歩くん!!ほら、紗紀謝りなよ!!」



慌てながら紗紀という女の腕を揺らして謝るように説得をするが紗紀は一向に謝らない。


こいつ、プライド高すぎじゃない?



「何であたしが?
あたしはただクラスにいただけじゃん」



クラス?
もしかしてこいつと同じクラスなのかよ?