新しいクラスへと向かう。
担任の先生は去年と同じ、林先生。
クラスには優、そして沙紀がいる。
でも何かが足りない気がした。
「優は最近どうよ?」
春休み、優とは一度も会ったりはしなかった。
遊んだりしたかったけど、優に気を使ってしまってなかなか言い出せなかったのだ。
「俺?なんもねぇ…」
暗い表情をする優。
優の言葉は嘘ではないようだ。
聞きたいことが沢山あるよ。
優が許すなら全部吐き出してよ。
「優は彼女作んねぇの?」
かなり直球な質問だけど一番聞きたかったことだ。
小林と別れて変わってしまったが、新たな彼女が出来たという噂は聞かない。
もしかしたら相沢瞳と付き合うのではないかと一人で勝手に思っていた。
かなり戸惑っている様子の優。
もうその態度で分かったよ。
優はまだ好きなようだね。
「…友達にならん?」
すると優の後ろの人が優に突然話しかけてきた。
第一印象は爽やかボーイ。
健康的な小麦色の肌が、彼の魅力。
これが土屋安里との出逢い。