そう小林を見て思った。長い茶色の髪の毛は上手にゆる巻きにされていて、可愛かった。
ひょっとしてして恋をしているとか?
「私の願い叶わなかった…。ひどいよね。」
「百合…」
沙紀は俺の手を離して、小林を抱きしめる。
俺はそんな二人を少し離れた場所で見ていた。
小林が願ったこととは?きっとあのことだよね。
「…優くんを泣かせないでね?」
涙を浮かべてこう言った小林は、女として最高だった。
自分の気持ちを押さえて、優の幸せを願う小林は、惚れてしまいそうなくらい美しかった。
「任せろ。小林は今の気持ちを大切にしろよ…。見失ったりすんなよ。」
「ありがと。私はずっと優くんを見ているよ…」
最後に笑ってこう言った。
優だけを見ているって言ったけど、運命は変わっていくもの。
小林が出した答えに文句つけるつもりはない。
『よく頑張ったな』と言いたい。
二人の運命はもうすでに決まっていたのかな。